OK!今回は「おいしさを保つコーヒー豆の保存方法」について徹底的に解説していくよ!
記事の最後にはクイズもあるので、知識の確認にぜひチャレンジしてみてね!
- コーヒー豆の保存方法
- コーヒー豆が劣化する4つの要因
- コーヒー豆の劣化対策
1分でわかる、コーヒー豆の保存方法まとめ
① コーヒー豆の保存方法
・焙煎豆のままで
・遮光性のある密閉容器に入れて
・冷暗所で保存する
② コーヒー豆が劣化する4つの要因
・水分
・酸素
・光
・温度
③ 劣化要因への対策
・水分
容器は水滴をしっかり拭きとり乾燥させる
食品用の包装された乾燥剤(シリカゲル)を容器に入れる
・酸素
密閉性の高い容器に保存する
小分けにして真空パックにして保存する
・光
遮光性の高い容器で保存する
直射日光や蛍光灯の光が当たらない場所で保存する
・温度
冷蔵・冷凍庫で保存する
コーヒー豆の保存方法の重要性
コーヒー豆は生鮮食品。
最後までおいしく飲みきるためには「鮮度を保つこと」がポイント。鮮度を保ち、味の劣化を防ぐには「適切な保存」が必須です。
保存をおろそかにすると、デリケートな食品であるコーヒー豆はどんどん劣化してしまい、コーヒーの命とも言える香りや風味が落ちてしまいます。コーヒー豆の劣化に影響を与える要因を排除することで、本来の香りや味を損なわずに最後までおいしく飲みきることができます。
コーヒー豆が劣化する4つの要因
コーヒー豆の劣化に影響を与える4つの要因を見ていきましょう。
- 水分
- 酸素
- 光
- 温度
水分
焙煎豆に含まれている水分は1〜3%ほどしかありません。
焙煎後のコーヒー豆は多孔質(細かい穴がいっぱい空いてる状態)になり、この穴が水分をよく吸ってしまいます。
湿度の高い場所に保管するとカビが発生する原因にもなってしまうので、できるだけ乾燥した状態を保つことが重要です。
酸素(空気)
空気中に酸素は20%ほど含まれており、この酸素が豆に触れると酸化という現象がおこります。
食品全般に言えますが、酸化すると品質や風味が落ちてしまい本来の味が損なわれてしまいます。なので、できるだけ酸素に触れる機会を少なくすることが重要です。
光
コーヒー豆は紫外線や蛍光灯の光ですらも影響を受けて、劣化してしまいます。
蛍光灯(明所)と暗所とでは2倍も劣化スピードが違います(紫外線では5倍)。
暗所 < 明所(蛍光灯) < 紫外線(日光)
遅い ← → 速い(劣化速度)
温度
温度が高くなると、化学変化のスピードが上がり、より酸化(劣化)が進んでしまいます。
常温から10℃上がると劣化スピードは2倍にもなります。
温度 | 劣化スピード |
ー10℃ | 1/2 |
常温 | ー |
+10℃ | 2倍 |
コーヒー豆の劣化対策
コーヒー豆が劣化する4つの要因を確認したところで、次はそれぞれの対策をみていきましょう。
保存のポイントは「密閉性」と「遮光性」です。
- 水分から守る
- 酸素から守る
- 光から守る
- 高温、温度変化から守る
水分対策
水滴を見逃さない
コーヒー豆の1つ目の大敵、水分(湿気)から守る方法をみていきましょう。
- 必ず、密閉容器に入れる
- コーヒー豆を入れる容器の水滴はしっかりと拭きとる
- 保存容器の他にも、コーヒー豆をすくうメジャースプーンなども濡れていないか確認する
- 食品用の包装された乾燥剤(シリカゲル)を容器に入れる
コーヒー豆が水分に触れると、品質が落ち、雑味を引き出す原因にもなってしまいます。できるだけ乾燥した状態を保ちたいですね。
水分が生まれる要因
- 湿気
- 温度変化による結露
冷蔵庫で保存する場合、取り出している間に使用しない豆まで外に出すことになります。
そのときの温度変化により、結露して水分が発生してしまいます。他の豆への影響を最小限にするためには、一度に使う分だけ小分けにして保存するのがベスト。
酸素(酸化)対策
コーヒー豆の2つ目の大敵、酸素(酸化)から守る方法をみていきましょう。
- コーヒー豆をより密閉性の高い容器に保存する
- フリーザーバッグに入れて密封する
- 家庭用真空パック器を使用する
とにかく酸化を防ぐことが大事。コーヒー豆は酸化との勝負です。
酸化したコーヒー豆は苦みや風味が落ちて嫌な酸味(酸っぱくなる)が出るようになり、本来の味が損なわれてしまいます。
酸化が進む要因
- 空気(酸素)に触れる
- コーヒー豆の油脂に光が当たる
- 保存環境の温度が高い
コーヒーは豆と粉では、豆の方が長持ちします。
粉にすると表面積が増え、空気との接触面が増えるので豆よりも酸化が進んでしまうのです。豆の状態で密閉容器に保存することで、空気(酸素)に触れる量を極力減らすことができ、酸化を最小限に抑えることができます。購入したコーヒー袋を、そのまま密閉容器に入れるのもいいですね。
また、酸化は空気に触れるだけでなく、コーヒー豆の油脂に蛍光灯の光が当たったり、高い温度環境での保存によっても進んでいきます。
保存容器の選び方
- 密閉性が高い
- 遮光性が高い
- 2週間ほどで飲みきれるサイズ
さきほどの説明の通り、酸素に触れる機会を減らすためにゴムパッキンなどが付いている密閉性の高い容器を選びましょう。
遮光性に関しては次の光対策で詳しく説明します。
サイズは2週間ほどで飲みきれる容器がおすすめです(1日1〜2杯だと、200〜300gが入る容器)。大きいサイズにたくさんの豆を入れると、蓋を開けるたびに新鮮な空気を容器に入れてしまうことになります。1ヶ月分購入した場合は、容器を二つに分けて片方がなくなるまでもう一つは冷暗所に保存するといいでしょう。
光対策
遮光性の高い容器で保存する
コーヒー豆の3つ目の大敵、光から守る方法をみていきましょう。
- 遮光性の高い容器で保存する
- 蛍光灯の光が当たらない場所で保存する
- 直射日光が当たらない場所で保存する
コーヒー豆は蛍光灯の光ですら当たると酸化(劣化)が進んでしまいます。できる限り光に当てないように保存しましょう。
保存容器の材質
- ガラス
- 金属
- 陶器
- ホーロー
- プラスチックetc
金属、陶器、ホーロー製は、遮光性が高いのでおすすめの材質です。プラスチック製は軽くて丈夫ですし、落としても割れないので持ち運ぶときに使用するのもいいですね。
一方、ガラス製の容器は遮光性は低いですが、中身が見えるのでディスプレイとして置くにはうってつけです(10日〜2週間ほどで飲みきるなら◯)。
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温度対策
コーヒー豆の4つ目の大敵、温度から守る方法をみていきましょう。
- できる限り温度の低い場所で保存する
- 小分けにして冷蔵庫・冷凍庫で保存する
コーヒー豆は温度変化にも弱く、常温から10℃上がると酸化(劣化)スピードは2倍になります。逆に常温から10℃下がると酸化スピードは1/2になります。
自宅の室温が、常時10℃以下といった冬場では室内保存でいいですが、暖房をつけたあとや室内が高温になる夏場などは冷蔵庫に入れるのがいいですね。冷蔵庫・冷凍庫は低温が保たれていて、遮光性もあるので保管場所に適しています。
冷蔵庫・冷凍庫で保存するときの注意点
冷蔵・冷凍庫は保存に適した場所ですが、注意が必要です。
- 結露に注意
- ニオイ移りに注意
先ほど説明した通り、コーヒー豆は温度変化を嫌うので、常に一定の温度に保たれていることが好ましいです。
冷蔵庫や冷凍庫で保存する場合は温度差で結露してしまいます。容器を出している間は、使わないコーヒー豆まで一緒に出していることになるので、一度に使う量を小分けにして保存するのがおすすめです。
また、焙煎されたコーヒー豆は湿気を吸いやすいだけでなく、ニオイも吸いとりやすくなっています。他の食材のニオイを吸収し、風味を損なってしまうので紙袋などで保存するのはNGです。
意図していなくても、冷蔵庫のニオイをとる脱臭炭のような働きをしてしまいます。できる限り密閉性の高い容器で保存しましょう。
冷蔵・冷凍保存すると抽出温度が下がる?
冷凍したコーヒー豆は解凍する必要はありません。凍ったままでもすぐにミルで挽くことができます。
凍ったコーヒー豆をすぐに使うと、お湯の温度が下がりそうだなと思うかもしれませんが、実は粉になると温度は高くなりお湯を注ぐと一瞬で温度は上昇するので心配はいりません。
コーヒー豆を極限まで美味しく保つには?
一番長持ちする究極の保存方法
今一度、コーヒー豆の保存方法を見ていきましょう。
- 焙煎豆のままで(酸素対策)
- 遮光性のある密閉容器に入れて(水分、酸素、光対策)
- 冷暗所で保存する(光、温度対策)
理由を踏まえて究極の保存方法を具体的にみてみると、
- 粉にすると表面積が増えて酸化しやすくなるので焙煎豆のままで
- 結露防止と空気に触れないように小分け真空パックにして
- ②を光が当たらないように遮光性の高い密閉容器に入れて
- 低温が保てて劣化が最小限に抑えられる冷凍庫で保存する
ということになります。
一番劣化する究極の保存方法
逆に一番劣化する保存方法を見てみましょう。
- できる限り細かい粉の状態にして
- 太陽がサンサンと降りそそぐ蒸し暑い環境のもと
- お皿にそのまま盛りつけて置いておく
飲む頻度で保存場所を決める
常温・冷蔵庫・冷凍庫どこに保存する?
保存場所を飲む頻度で決めるのも一つのポイントです。
下記の項目をみて、常温・冷蔵庫・冷凍庫どこに保存するのが適しているかを決めていきましょう。
- 豆の量
- 保存期間
- 飲む頻度
- 室温
- 未開封か開封済みか
開封 | 保存期間 | 注意点 | |
常温 | 未開封 | 短期(数日) | できれば15℃以下 |
冷蔵 | 開封済 | 中期(2〜3週間) | ニオイ移り、開け閉めでの結露注意 |
冷凍 | 開封済 | 長期(~2ヶ月) | 開け閉めでの結露注意 |
・未開封の場合、直射日光や蛍光灯の光が当たらない15℃以下の風通しのいい場所に保存
・開封後は袋ごと保存容器に入れて冷蔵庫や冷凍庫で保存
コーヒー豆の消費量
300gのコーヒー豆を購入して、一杯につき9g〜12g(お湯150ml)の豆を使用した場合
飲む量/日 | 豆の消費量 | 消費期間 |
1杯 | 9g〜12g | 25日〜33日(長期) |
2杯 | 18g〜24g | 12日〜16日(中期) |
3杯 | 27g〜36g | 8日〜11日(短期) |
・中期→冷蔵庫
・長期→冷凍庫
コーヒー豆の保存方法まとめ
① コーヒー豆の保存方法
・焙煎豆のままで(酸素対策)
・遮光性のある密閉容器に入れて(水分、酸素、光対策)
・冷暗所で保存する(光、温度対策)
② コーヒー豆が劣化する4つの要因
・水分
・酸素
・光
・温度
③ 劣化要因への対策
・水分
容器は水滴をしっかり拭きとり乾燥させる
食品用の包装された乾燥剤(シリカゲル)を容器に入れる
・酸素
密閉性の高い容器に保存する
小分けにして真空パックにして保存する
・光
遮光性の高い容器で保存する
直射日光や蛍光灯の光が当たらない場所で保存する
・温度
冷蔵・冷凍庫で保存する
④ 飲む頻度、保存期間による保存場所
・未開封ですぐに飲みきる場合は、直射日光や蛍光灯の光が当たらない15℃以下の風通しのいい場所に保存
・開封後もしくは長期保存する場合は、袋ごと保存容器に入れて冷蔵庫や冷凍庫で保存
コーヒー豆は本当にデリケートな食品なんだ。
できる限り買いだめはせずに、飲みきれる量だけを買うことをおすすめするよ!この記事を参考に最後の最後の一粒までおいしいコーヒーを楽しめるように、しっかりと保存方法を守っていこう!
それでは最後にクイズにチャレンジしてみよう!
チャレンジクイズ!
初級
- Q .コーヒー豆が劣化する4つの要因を教えてください
-
①水分
②酸素
③光
④温度
- Q .豆と粉の状態では、どちらが長持ちしますか?理由も合わせて教えてください
-
豆
粉にすることで表面積が増え、空気(酸素)との接触面が増えるので、豆の状態よりも酸化(劣化)が進んでしまう
- Q .コーヒー豆の適切な保存方法を教えてください
-
・焙煎豆のままで
・遮光性のある密閉容器に入れて
・冷暗所で保存する
中級
- Q .酸化が進む要因を3つ教えてください
-
①空気(酸素)に触れる
②コーヒー豆の油脂に光が当たる
③保存環境の温度が高い
- Q .冷蔵庫・冷凍庫で保存するときの注意点を2つ教えてください
-
①温度変化による結露に注意する(対策|使う分だけを小分けにして保存)
②他の食品からのニオイ移りに注意する(対策|密閉容器で保存)
上級
- Q .お店で紙袋に入れられた400gのコーヒー豆を買いました。私は1日1杯のコーヒーを飲みます。どのように保存するのが適切でしょうか?
-
まず、紙袋ではなく遮光性の高い密閉容器に移しかえる
コーヒーは1杯に9g〜12gの豆(お湯150mlの場合)を消費する→1日1杯だと最短でも消費するのに1ヶ月はかかる
なので、容器は2つに分けてひとつは冷凍保存(できるなら小分けにして)、もう一つは通常飲む用に冷蔵保存する(両方とも冷凍でも◯)